アトピー脱ステロイド療法にちょっと待った!
2008年6月 7日
「脱ステロイド」の本来の意味とは、アトピー性皮膚炎の症状が改善傾向にないのに現在治療に使用中のステロイド外用剤を中止して、ステロイド外用剤を使用せずにアトピー性皮膚炎の症状をコントロールする方法のことです。
そのため、アトピーの症状が改善してきたためステロイド外用剤を中止して経過をみるという行為は、「脱ステロイド」と称するのは不適切です。
ステロイド外用剤は非常に高い有効性を持つ薬剤でありますが、特に重症なアトピー例では正しく医師の指導の下に使用していても十分に症状を抑えられない例や、長期の連用により皮膚萎縮、接触性皮膚炎、二次感染といった副作用をきたす例が存在します。
このような症例において副作用から脱却したり、ほかの治療法を模索するといった過程で脱ステロイド療法が行われることがあり、実際にそのようなケースに限ってはステロイド剤の中止が有効であったという報告もあります。
しかし当然ながら、このようなアトピー治療法に踏み切るためには、現在のステロイド外用剤による治療が効果をもたらしていないのかを慎重に判断する必要があります。
一方で「脱ステロイド」という言葉がアトピービジネスにおいて多々使用されることがあります。
その理由はアトピービジネスは、他の科学根拠のない代替療法を勧めるため、「ステロイド外用剤はアトピー性皮膚炎を悪化させる」「ステロイド外用剤のリバウンドが続いている」「ステロイドを使用した年月に比例して治療に時間がかかる」「病変部から<毒>が排出されているので湿疹は好転反応である」などの独自理論を説明し、ステロイド剤に対して恐怖を煽り、ステロイド剤を中止させようとする場合が多いためです。
さらに自然主義的観点からプロトピックの使用も是としないことが多い。
当然これらの主張に医学的な根拠はありません。
このような業者に脱ステロイド療法およびそのアトピービジネス独自の治療法を指示されて極端に悪化し、かゆみが強く夜も眠れないなど生活に支障をきたしたり、ひどい場合緊急入院という結果となる場合も少なくありません。
少数ながら合併症による死亡例もあるほどです。
また、アトピービジネスやマスコミによるステロイド剤の恐怖などの誇張した宣伝の結果、アトピー治療が難航している患者が自己判断で「脱ステロイド」を行い、アトピー症状が急激に悪化するという悲劇的な2次的被害もみられます。
一時期、社会問題になったこともありました。
以上のように科学的根拠のないステロイド害悪論に基づいた「脱ステロイド」は危険であり、実施するに当たっては実際の病態がステロイドの弊害によってもたらされているのかを多数の医師とよく相談して判断した方が良いでしょう。
その際、プロトピック軟膏やPUVA療法、シクロスポリンといった他の治療に切り替えながら様子をみることが多いので、それに関しても医師と十分に相談すべきです。
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カテゴリー:アトピー 脱 ステロイドについて
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